ユニフォームは戦闘服 グラウンドは戦場! 阪口慶三氏3
タイテツさんと同年代の、元東邦高校主将伊藤氏がタイテツさんへ
阪口慶三氏(現大垣日大高校監督)の東邦高校監督時代を振り返ってくれました。
現在とは時代背景がだいぶ変わりますが、
高校野球の1ページを彩ってきた名伯楽への思いを馳せながら
第100回全国高等学校野球選手権記念大会へ繋げることも出来るのではないでしょうか。
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阪口、森田のコンビはとにかくノックが上手い。
試合はまず『TOHO』のユニフォームで相手に脅威を与え、
試合前のノックで7割方勝つ、というほどにツーバウンドくらいで取れる球を高速で打ち、
流れるような守備で相手の戦意を無くす。
試合前で勝敗を有利に進める。
しかし、そのノックの流れが悪いと試合前であろうが関係なく、
ロッカールームでユニフォームを脱がせられ、
バシバシ殴って気合いを入れて、
『行け!』
で、試合に臨む。
ユニフォーム = 戦闘服
グランド = 戦場
これが阪口先生の口癖だ。
僕が1年の秋の練習試合中、打席中に鼻血が出てきた。
僕は左打者であったため、思わず左肩でその血を拭ってしまった。とその時。
『タイム』
三塁側のベンチに呼ばれ(東邦高校のグランドは作りの都合で昔は三塁側がホームベンチであった)
『戦闘服で血を拭くな!』
と言われ、殴られて打席に戻るということもあった。
ー 阪口慶三氏 ー
1944年生まれ。1967年、東邦高校の監督へ就任。
打倒中京高校を掲げ、鬼の阪口と呼ばれるほどのスパルタ指導で東邦高校を鍛え上げた。
1977年第59回全国高等学校野球選手権大会準優勝。1988年第60回選抜高等学校野球大会準優勝。
1989年第61回選抜高等学校野球大会にて甲子園初優勝。2004年、同校監督を勇退。
2005年より岐阜県大垣日大高校監督へ就任。2007年第79回選抜高等学校野球大会で準優勝。
東邦高校:甲子園出場24回 25勝23敗・優勝1回・準優勝2回
大垣日大高校:甲子園出場7回 12勝7敗 準優勝1回